Change

 翌日、はるか、うさぎの二人と、みちる、四人の内部戦士、そしてちびうさは、昨日戦いが行われた公園に来ていた。

 亜美が昨日、二人が元に戻れる方法を調べていて、この公園からまだ何かエナジーが感じられることを突き止めたのだ。

「この公園にまだ何かあるみたいなんだけど……」

 亜美の言葉に、皆であたりを見回す。

「うーん……どこだろう……」

 するとちびうさのルナPが何かに反応して、砂場の方にふわふわと飛んで行った。

「ルナP?

 ……あれ、このボール……」

 ルナPの行く先には、不自然に輝く赤い球体が落ちていた。

「ちびうさちゃん、触らない方がいいわ。そのボールから何かエナジーを感じる」

 レイが忠告する。亜美が急いで調べ始めた。


「……うん、これだわ。

 うさぎちゃん、みちるさん。これを二人で同時に触れば、二人は元に戻れるみたい」

 うさぎとみちるは顔を見合わせて、小さく頷いた。

「うさぎ……いいわね」

「はいっ」

 二人は一緒に赤い球体に触れた。


 二人は燃えるような光に包まれ、一瞬周りから見えなくなった。しかし数秒で光は収まり、再び皆の前に姿を現す。


「……戻ったかしら?」

「……戻れた??」


 うさぎとみちるが同時に呟く。その声は聞き慣れた二人のものに戻っていた。


「うさぎ!!」

「やったー!元に戻れたーー!」


 四人とちびうさがうさぎに駆け寄り、歓喜の声をあげた。

「あたしはうさぎの中身はみちるさんのままがよかったと思うけどー。

 でもみちるさんがうさぎのままじゃかわいそうだから、しょうがないわねっ」

「なんですってぇ!」

 うさぎとちびうさがいつも通りのやり取りをして、周りは皆笑ってそれを見ている。いつも通りのやり取りだ。


 賑やかにうさぎとの再会を喜ぶ五人を横目に、みちるは静かにはるかの元に戻った。

「おかえり、みちる」

 みちるは挨拶代わりに穏やかな笑顔を返した。

「その顔を見ると、なかなか楽しんだようだね。どうだった?あの子たち」

「なかなか楽しかったわよ。

 ……はるかは? うさぎと一晩どう過ごしたのかしら?」

「……いつも通りさ」

 みちるはそう答えるはるかの顔をじっと見つめていた。

「みちる、妬いてんの?」

 みちるはふふっ、と微笑んだ。


「ばかね。私ははるかのこと、信じてるわよ」


 みちるははるかの腕に自分の腕を絡めた。

「さあ、昨日一緒に過ごせなかったのだから、今日は付き合ってくださる?」

 みちるは声を弾ませる。


 はるかはそんなみちるの肩を優しく抱いた。そして二人は他の六人を残しさっさと公園を出ていってしまった。


 赤い薔薇の花びらを無数に残し……。