017. 読書記録「パッとしない子」
「六人の嘘つきな大学生」
2025.1.15
読書記録投稿です。
短い話も含めると読むペースが上がってしまって感想出力が追いつかない……。
まとめて記載します。
『パッとしない子』辻村深月
小学校教師の話。過去に自分が担任をした男児の兄が人気アイドルになり、収録で母校を訪れることに。直接の関わりはほとんどなかったが、周囲に当時の印象を聞かれた際には「兄弟ともにあまり目立った印象はない子だった」と答えていた。
収録後、そのアイドルから「話をしたい」と言われた教師が対面すると、弟や母も含め、家族は皆自分のことを恨んでおり、周囲に自分たち兄弟のことをまるでよく知っているかのようにに話さないで欲しいという。過去、教師は自分のお気に入りだけを可愛がっており、目立たないタイプの弟は教室に居づらく休みがちだった。にも関わらず、教師が自分たち兄弟を知ったように語るのが許せなかったのだ。
短い話だけど心を掴まれるというか、ドキリとさせられる話だった。自分も過去に人を傷つけてきたことがたくさんあるだろうと思うけど、自覚していない分も含めたらもっとたくさんあると思う。人から恨まれているかもしれない。それを知らずに(忘れて)、相手をよく知った風に語ったり、美しい思い出のように感じていれば、こう言われてもおかしくないかも。
そう思いながら読んだので、最後は少し教師側に感情移入して心が重くなった。
短いながらも、前半と後半でハッキリと雰囲気が変わり、一気に読み進めることができる話でした。
『六人の嘘つきな大学生』浅倉秋成
2011年(22年卒)の就職活動を舞台にした話。とある人気ベンチャー企業の最終面接に残った六人の学生が、最終面接でグループディスカッションをすることに。全員内定の可能性があったため、事前に協力し合って準備を進めたが、直前になり「内定者は一人に絞られる」ことが決定される。
当日、正々堂々とディスカッションに臨んだ六人だが、会場に残された謎の封筒を発見し、事態は一変する。中身は六人それぞれの過去を暴く内容で、その内容に翻弄され、内定者決めは困難を極めた。……が、封筒の中身からヒントを得て犯人を特定し、一人の内定者を決定することとなる。
後半は八年後の話。ひょんなことで内定者本人が、当時犯人だと思ってた人が実は犯人ではなかったことを知る。そこで当時の関係者に取材を行い、真犯人を追及する。犯人ではなかった彼が、内定者である女性に残したものとは……?
ちょくちょくTwitterで良い評判が流れてくるので期待していたが、期待以上に面白かった。後半でひっくり返されるとわかっていたのに、いざ話が展開すると驚いた。
何事も一面から見た印象だけではわからない、人は何面も顔を持っている、というのが総論。
就活をしていた年がこの人たちと近いので、就活に関しての描写やそれぞれが抱いている印象がリアルで苦笑い。さらに現在は採用サイドなので、「本当に人を見極めて採用できているのか?」という自問もしてしまう。